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売り物件を比較してみよう!(一棟売り物件編) [投資]

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今度は、収益物件でも一棟マンションの売り物件について比較してみましょう!

一棟マンションといっても、場所や築年数によって利回りには大きな差が出てくることがあります。

今回のポイントは前回ワンルームマンションと同じように修繕費や空室率がどの程度計上すべきなのかがポイントとなります。


対象不動産 017-4.jpg
この写真は、売り物件とは関係ありません。

では早速、実際の一棟売りの賃貸マンションを比較してみましょう。

A物件
所在地 東京都世田谷区野沢4丁目
売値     28,785万円
土地面積    144.68㎡
建物延床面積 454.64㎡
賃貸面積   382.73㎡
構造.・階層  RC4階建
戸数      16戸
築築年数    平成26年3月完成予定
最寄駅     東急田園都市線「駒澤大学」駅 徒歩9分 (距離 約800m)
家賃     年額(予定)16,188,000円(1,349,000円×12ヶ月)
ソーラー発電 年額(予定)  215,000円
(売電)

共益費    年額(予定)924,000円(77,000円×12ヶ月)

表面利回り  6.03%〔(16,188,000円+215,000円+924,000円)/28,785万円)

この物件は、東京都内でも比較的需要の強い地域の収益物件ですので新築で、表面利回りが6.03%というのは、都内の新築物件としてはまずまずと言えるのではないでしょうか。

では、次にワンルームマンションと同様に年間の家賃収入から、諸経費を差し引いた実質利回りは何%になるのかを見てゆきましょう。

<収入>
 16,188,000円 + 215,000円 + 924,000円  = 17,327,000円

<費用>
① 管理費  16,188,000円 × 3% =  485,640円

② 修繕費  16,188,000円 × 5% = 809,400円

③ 損害保険料(推定)            140,000円

④ 固定資産税等(推定)           930,000円

⑤ 空室損失(賃料の5%) 16,188,000円×0.05= 809,400円

     合計               3,174,440円

<純収入>

17,327,000円  - 3,174,440円   = 14,152,560円

実質利回り  4.92%(14,152,600円÷28,785万円)
となります。

ここで計上した①管理費は、一般に管理は業者に委託する費用で、修繕費とは、マンションと異なり、内部と外部の修繕にかかる費用ですが、新築の場合、初期にはあまりかかりませんが将来の出費のために積立てておきます。

また、空室損失は、借主が退去した場合、次の借主が見つかるまで、収入が入ってきません。その損失を年間賃料の5%としました。

この物件は都内の新築の物件であるので、賃貸需要は強いので、借主が退去しても、すぐに次の借主が見つかると思われますが、しかし、半月程は収入が入ってこなくなる可能性があります。

これが地方などでは、この空室率は大きくなり傾向にありますので、現在満室であっても、ある程度の空室が発生することを計上しておくことが大事です。

また、費用にはワンルーム編と同様に借入金を計上していませんが、金融機関からの借入れる場合は、元本と利息の支払いが負担となりますので、利回りはこれよりも低くなります。

しかし、収益の安定性という観点から見れば、安定度は高く、実際に入ってくる収入と大きなブレは生じにくい物件であるということが言えると思います。

次に横浜の売り物件の利回りを見てみましょう。

昭和63年新築のやや古い物件ですが、大規模な修繕をおこなって、価値を高めることによって、家賃を値上げるなど工夫が施され、利回りを高めにした物件です。

いわゆる、ヴァリューアップ商品です。

B物件
所在地 神奈川県横浜市西区浜松町
売値     19,800万円
土地面積   168.81㎡
建物延床面積 550.81㎡
賃貸面積   444.15㎡
構造.・階層  RC5階建
戸数      21戸
築築年数    昭和63年9月新築
寄駅     相鉄線「西横浜」駅徒歩3分(距離 約250m)
家賃     年額14,232,000円(1,186,000円×12ヶ月)
駐車代    年額126,000円(10,500円×1台×12ヶ月)

表面利回り  7.25%〔(14,232,000円+126,000円)/19,800万円)

横浜市内も都内と同様に比較的需要の強い地域の収益物件ですので、築年数が古いので、表面利回りが7.25%というのは、横浜市内では若干低いような感じがします。

では、A物件と同様に実質利回りは何%になるのかを見てゆきましょう。

<収入>
 14,232,000円 + 126,000円 = 14,358,000円

<費用>
① 管理費  14,358,000円 × 6% =  861,480円

② 修繕費  14,358,000円 × 8% = 1,148,640円

③ 損害保険料(推定)          =  139,000円

④ 固定資産税等(推定)           820,000円

⑤ 空室損失(賃料の7%) 14,358,000円×0.05= 1,005,060円

     合計               3,974,180円

<純収入>

14,358,000円  - 3,974,180円   = 10,383,820円

実質利回り  5.24%(10,383,820円÷19,800万円)
となります。

ここでのポイントは、築年数が古いので、管理費や修繕費が若干高くなっていることと、空室率は、現在満室ですが、やはり都内の物件と比べると若干高く設定しておく必要があり、7%としました。

今度は、都内や横浜の物件とは直接的には比較にならないかもしれませんが、茨城県神栖市の売り物件を見てみましょう。

神栖市内には、鉄道機関がありません。バスも運行していますが、主にマイカーによる移動が多いところです。
神栖市には何よりも鹿島臨海工業地帯が所在し、そこに勤務する従業者の家族及び単身者の賃貸需要が見込めます。

C物件
所在地 茨城県神栖市太田
売値     5,500万円
土地面積   1,176.00㎡
建物延床面積 174.46㎡
構造.・階層  木造2階建
戸数      12戸
築築年数    平成6年2月新築
寄駅     JR成田線「下総橘」駅から約7.7㎞
家賃     年額6,912,000円

表面利回り  12.57%(6,912,000円/5,500万円)

かなりの高利回りですが、築年数も18年を超え、そろそろ大規模修繕の時期が到来しています。

また、いくら賃貸需要があるといっても、都内や横浜市内と比べると、空室率は高めに設定しておくべきでしょう。

では実質利回りは何%になるのかを見てゆきましょう。

<収入>
 6,912,000円

<費用>
① 管理費  6,912,000円 × 10% =  691,200円

② 修繕費 6,912,000円 × 12% = 829,440円

③ 損害保険料(推定)       =  50,000円

④ 固定資産税等(推定)           170,000円

⑤ 空室損失(賃料の15%)  6,912,000円×0.15= 1,365,800円

     合計               3,106,440円

<純収入>

6,912,000円  -  3,106,440円   = 3,805,560円

実質利回り  6.92%(3,805,560円÷5,500万円)
となります。

この物件の場合、空室率をやや高めに設定し、また、修繕費もやや多めに設定しました。

それでも、実質利回りは7%近い物件であり、都内のA物件や横浜のB物件と比べるとリスクはありますが、空室率さえ上がらなければ、掘り出し物かもしれませんね。

いずれにしても、外部の修繕費等を計上しておく必要があります。

大家さんの中には、満室だから余計な出費はやらないという方もいますが、修繕するとその年は利回りが低下しますが、長い目で見れば、定期的に補修、修繕を行わないと、空室率が上がり、結局、実質利回りが低下してゆきます。

利回りを維持するためにも、修繕はこまめに行うべきでしょう。

いずれにしても、好条件の物件は、何でこのような物件を手放すのか?
そんなことも考えておかなければなりません。

例えば、借家人と大家さんの間でトラブルがあって、いや気をさした大家さんが売り出したとか、また、相続税の支払いに困って、売り出したとか、いろいろな動機があります。

その辺も調べておく必要があります。

この記事に関し、または、それ以外でもご質問があれば、以下のメールアドレスか電話でお問い合わせください。

 有限会社 岡不動産鑑定事務所
 不動産鑑定士 岡 秀次
           ℡045-780-2841

Email:info@kantei-oka.com

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