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立退料 [不動産鑑定]

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 先日、大家さんから立ち退きを求められ、その場合の立退料についてのご相談が建物の借主さんからありました。

 鑑定評価の場合、立退料は居住用は借家権の評価となりますが、店舗の場合、借家権価格と営業補償料が立退料となるのが一般的です。

まず、基本的なことを申しますと、貸主は正当な事由がないのに更新を拒絶したり、明け渡し求めることはできません。

では、正当事由とは何かというと、これは法律問題になって、弁護士さんの範疇ですが、貸主が売却したいからなどの理由は借主が家賃滞納や契約違反の利用をしていない限り、正当事由とは言えないでしょう。

したがって、貸主が立ち退きを求めるときは、立退料を支払うのが一般的です。

では、いくらが妥当かというと、これは案件によって様々です。

店舗などでは、場所的利益の喪失、つまり、その場所だから、顧客が増えてきたのに、場所が変わると顧客へ減ってしまうなどの可能性があるときは、営業補償なども発生し、かなりの額になることもあります。

居住用の場合、それほど高額にはならないかと思いますが、それでも、双方の経済状態、借りている年数、家族関係、戸建か、アパートなどにも関連してきます。

 一応の目安として、相続税の財産評価基準や公共用地の取得に伴う場合などで、立退料には2通りの計算方法があります。第一は以下のとおりです。

土地価格 × 借地権割合 × 借家権割合 + 建物価格 × 借家権割合 = 立退料


この場合、借地権割合や借家権割合は路線価で調べます。借地権割合は地域によって、異なりますが、借家権割合は30%となっています。

しかしながら、居住用の場合現実的には15%~20%程度が妥当ではないかと思います。

また、上記計算式は、戸建の場合であり、アパートやマンションの場合は、全体の立退料から対象賃貸面積÷総賃貸面積が立退料となります。

つまり、全体の面積に対する借りている面積割合が対象になるということです。

この場合、土地価格や建物価格がいくらなのかが問題となりますが、これは地元不動産業者などで聞く以外にはありません。

路線価格もありますが、時価よりも低いのが一般的で参考にならないケースもあります。

もう一つの方法は、以下のとおりです。

現在、借りている物件と同等の物件を新たに借りたら、現行の家賃よりも高くなってしまう場合、その差額を2年間補償するというものです。

例えば、現行の賃料が5万円で、新たに同等の物件を借りたら6万5千円もする場合、1万5千円×24か月=36万円が算出されます。この場合、引越代、新たな物件を斡旋した業者への仲介手数料、礼金が発生している場合は礼金も対象となります。さらに、住所変更のはがきを知り合に発送する郵送費、印刷代なども加算されます。

要は、移転に伴う費用が立退料になるということですが、この方法は、場所にもよりますが、同等の物件が、現行賃料より高くない場合、つまり差額賃料が少ない場合は、当然立退料も低くなります。


また、借主の意思に反して、立ち退かなければならないなど感情的な側面が反映されていない面もあります。

したがって、この方法では、算出した額にプラスアルファを加算することが妥当でしょう。

借家権の鑑定評価は、店舗などの場合、相手との交渉で鑑定評価が役に立つ場合がありますが、居住用の場合、費用対効果が小さいように思います。

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