投資物件を比較してみよう(ワンルーム編) [投資]
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収益物件には、ワンルームマンション、ファミリー型マンションなどの区分所有建物や一棟売りの賃貸マンション、アパート等があります。
また、事務所ビル、店舗付き事務所、店舗付き共同住宅など様々ですが、実際の売り物件から、実質利回り(表面利回りから経費差し引いた純収益を売値で割った利回り)を比較してみましょう。
一般に利回りが高い方が収益は大きくなり、有利と思われがちですが、その利回りが安定した利回りなのか、不安定な利回りなのかを考える必要があります。
つまり、空室が出た場合、すぐに次の借り手が見つかるような場合は、その利回りは安定していますが、すぐに借り手が見つからない場合は、その空室の期間、予定した収入が入らなくなり、利回りは低下します。
また、家賃を下げないと借り手が見つからない場合も同様に利回りは低下します。
したがって、賃貸需要の旺盛な東京などの大都市の物件のほうが、利回りは低くても安定しているということが言えます。
特に東京オリンピックを控え、今後、賃貸需要が大きな盛り上がりを見せた場合、先行き家賃の上昇も期待できる場合もあります。
では、地方はリスクが高いのではと思われがちですが、一概にそうだとは言い切れません。確かに、東京、横浜などの物件と比べて、賃貸需要が弱く、リスクはあり、地方によってまちまちですが、地域によっては、供給が不足している場合もあるからです。
例えば、大規模な工業団地が周辺にあり、これらに勤める社員が借りるケースがあります。
特に、工場の新規投資などをする場合は、ある程度の需要が見込めます。
ただし、古くからある工業団地では、すでに住宅の供給が過剰になっているなどのリスクはあるので、空室が発生しても、十分な利回りが確保できる物件、つまり、売値が安い物件を選ぶ必要があります。
では、早速、投資物件を比較してみましょう。
まずは、ワンルームマンションの売り情報を見てみましょう。
東京都目黒区にある築浅のワンルームマンションです。
A物件
所在地 東京都目黒区青葉台
売値 1,840万円
専有面積 21.35㎡
構造.・階層 SRC13階建の5階部分
築築年数 8年経過
最寄駅 東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩9分 (距離 約800m)
家賃 月額95,000円(賃貸中)
管理費 月額8,250円
修繕積立金 月額2,390円
表面利回り 6.19%(95,000円×12ヶ月÷1,840万円)
この物件は、東京都内でも比較的人気のある地域ですので、表面利回りが6.19%というのはまずまずと言えるのではないでしょうか。
では、次に年間の家賃収入から、諸経費を差し引いた実質利回りは何%になるのかを見てゆきましょう。
<収入>
95,000円 × 12ヶ月 = 114万円
<費用>
① 管理費 8,250円 × 12ヶ月 = 99,000円
② 修繕積立金2,390円 × 12ヶ月 = 28,680円
③ 室内修繕費(推定) 36,000円
④ 損害保険料(推定) 18,400円
⑤ 固定資産税等(推定) 36,800円
⑥ 空室損失(賃料の2%) 114万円×0.02= 22,800円
合計 241,680円
<純収入>
1,140,000円 - 241,680 円 = 898,320円
実質利回り 4.88%(898,320円÷1,840万円)
となります。
ここで計上した①管理費と②修繕積立金は、管理組合などに支払う実際に発生する費用です。
③室内修繕費とは、ワンルームの内部の修繕費で、必ず発生する経費ではありませんが、年数が経過するにつれて、給湯器など設備の交換などが必要となったり、カーペットや壁紙の張替が必要になるケースもあり、その時の出費のために積立てておきます。
また、空室損失は、借主が退去した場合、次の借主が見つかるまで、収入が入ってきません。その損失を年間賃料の2%としました。
この物件に対する賃貸需要は強いので、借主が退去しても、すぐに次の借主が見つかると思われますが、しかし、半月程は収入が入ってこなくなる可能性があります。
では、何年で入れ替わるのかというのは、予想の範囲でしかありませんが、2年ごとに借主が入れ替わり、半月間収入が入ってこなくなることを想定して、0.5×1/24≒0.02となります。
この空室損失の率は、都内の築浅の物件だから小さな率ですが、これが地方などでは、この空室率は大きくなります。
つまり、次の借主を見つけるのに時間がかかるということです。
また、費用には借入金を計上していませんが、金融機関からの借入れる場合は、元本と利息の支払いが負担となりますので、利回りはこれよりも低くなります。
しかし、収益の安定性という観点から見れば、安定度は高く、実際に入ってくる収入と大きなブレは生じにくい物件であるということが言えると思います。
同じワンルームでも仙台の物件を見てみましょう。
この物件は、東北大学医学部のすぐ近くにあり、おそらく賃貸人はそこの学生ではないかと思われます。
B物件
所在地 仙台市青葉区柏木
売値 490万円
専有面積 20.02㎡
構造.・階層 RC4階建の3階部分
築築年数 17年経過
最寄駅 市営地下鉄南北線「北4番丁」駅 徒歩20分 (距離 約1,600m)
家賃 月額40,000円(賃貸中)
管理費 月額 2,800円
積立金 月額11,500円
表面利回り 9.8%(40,000円×12ヶ月÷490万円)
では、A物件と同様に年間の家賃収入から、諸経費を差し引いた実質利回りは何%になるのかを見てゆきましょう。
<収入>
40,000円 × 12ヶ月 = 48万円
<費用>
① 管理費 2,800円 × 12ヶ月 = 33,600円
② 修繕積立金11,500円 × 12ヶ月 = 138,000円
③ 室内修繕費(推定) 30,000円
④ 損害保険料(推定) 10,000円
⑤ 固定資産税等(推定) 9,800円
⑥ 空室損失(賃料の8%) 48万円×0.08)= 38,400円
合計 259,800円
<純収入>
480,000円 - 259,800 円 = 220,200円
実質利回り 4.49%(220,200円÷490万円)
となります。
以上を整理しますと、
表面利回り 実質利回り
A物件 6.19% 4.88%
B物件 9.8% 4.49%
表面利回りは、B物件のほうが9.8%とA物件よりもはるかに高いですが、実質利回りでみるとA物件のほうが高くなっています。
特にB物件は空室率を8%に設定したことも、B物件の実質利回りが低くなった原因の一つでもありますが、地方都市の場合、やはり、ある程度賃貸需要が強い地域でも、一定期間は空室になる可能性があります。
もちろん、想定も含まれていますので、現実の実質利回りとは違う場合もありますが、読者の皆さんは、表面利回りの低い目黒の物件と表面利回りの高い仙台の物件、 どちらの物件を選ぶでしょうか?
ワンルームでもファミリー型でもマンションの場合、管理組合などから徴収される管理費や修繕費がわかっているため、具体的な費用の計上がしやすい反面、一棟全体の収益物件と違い、空室が発生したら、即、その月は無収入となります。
特にワンルームマンションは、価格も手頃で、買いやすい物件ですが、いずれにしても投資にはリスクがあることを知っていただきたいと思います。
このようなリスクを避けるには、やはり、東京などの築浅の物件のほうが安定収入が得られるのではないかと思います。
また、サブリース物件で、家賃が保証されている物件もありますが、利回りは低くなり、契約が更新されない場合もあります。
この記事に関し、または、それ以外でもご質問があれば、以下のメールアドレスか電話でお問い合わせください。
有限会社 岡不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 岡 秀次
℡045-780-2841
Email:info@kantei-oka.com
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収益物件には、ワンルームマンション、ファミリー型マンションなどの区分所有建物や一棟売りの賃貸マンション、アパート等があります。
また、事務所ビル、店舗付き事務所、店舗付き共同住宅など様々ですが、実際の売り物件から、実質利回り(表面利回りから経費差し引いた純収益を売値で割った利回り)を比較してみましょう。
一般に利回りが高い方が収益は大きくなり、有利と思われがちですが、その利回りが安定した利回りなのか、不安定な利回りなのかを考える必要があります。
つまり、空室が出た場合、すぐに次の借り手が見つかるような場合は、その利回りは安定していますが、すぐに借り手が見つからない場合は、その空室の期間、予定した収入が入らなくなり、利回りは低下します。
また、家賃を下げないと借り手が見つからない場合も同様に利回りは低下します。
したがって、賃貸需要の旺盛な東京などの大都市の物件のほうが、利回りは低くても安定しているということが言えます。
特に東京オリンピックを控え、今後、賃貸需要が大きな盛り上がりを見せた場合、先行き家賃の上昇も期待できる場合もあります。
では、地方はリスクが高いのではと思われがちですが、一概にそうだとは言い切れません。確かに、東京、横浜などの物件と比べて、賃貸需要が弱く、リスクはあり、地方によってまちまちですが、地域によっては、供給が不足している場合もあるからです。
例えば、大規模な工業団地が周辺にあり、これらに勤める社員が借りるケースがあります。
特に、工場の新規投資などをする場合は、ある程度の需要が見込めます。
ただし、古くからある工業団地では、すでに住宅の供給が過剰になっているなどのリスクはあるので、空室が発生しても、十分な利回りが確保できる物件、つまり、売値が安い物件を選ぶ必要があります。
では、早速、投資物件を比較してみましょう。
まずは、ワンルームマンションの売り情報を見てみましょう。
東京都目黒区にある築浅のワンルームマンションです。
A物件
所在地 東京都目黒区青葉台
売値 1,840万円
専有面積 21.35㎡
構造.・階層 SRC13階建の5階部分
築築年数 8年経過
最寄駅 東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩9分 (距離 約800m)
家賃 月額95,000円(賃貸中)
管理費 月額8,250円
修繕積立金 月額2,390円
表面利回り 6.19%(95,000円×12ヶ月÷1,840万円)
この物件は、東京都内でも比較的人気のある地域ですので、表面利回りが6.19%というのはまずまずと言えるのではないでしょうか。
では、次に年間の家賃収入から、諸経費を差し引いた実質利回りは何%になるのかを見てゆきましょう。
<収入>
95,000円 × 12ヶ月 = 114万円
<費用>
① 管理費 8,250円 × 12ヶ月 = 99,000円
② 修繕積立金2,390円 × 12ヶ月 = 28,680円
③ 室内修繕費(推定) 36,000円
④ 損害保険料(推定) 18,400円
⑤ 固定資産税等(推定) 36,800円
⑥ 空室損失(賃料の2%) 114万円×0.02= 22,800円
合計 241,680円
<純収入>
1,140,000円 - 241,680 円 = 898,320円
実質利回り 4.88%(898,320円÷1,840万円)
となります。
ここで計上した①管理費と②修繕積立金は、管理組合などに支払う実際に発生する費用です。
③室内修繕費とは、ワンルームの内部の修繕費で、必ず発生する経費ではありませんが、年数が経過するにつれて、給湯器など設備の交換などが必要となったり、カーペットや壁紙の張替が必要になるケースもあり、その時の出費のために積立てておきます。
また、空室損失は、借主が退去した場合、次の借主が見つかるまで、収入が入ってきません。その損失を年間賃料の2%としました。
この物件に対する賃貸需要は強いので、借主が退去しても、すぐに次の借主が見つかると思われますが、しかし、半月程は収入が入ってこなくなる可能性があります。
では、何年で入れ替わるのかというのは、予想の範囲でしかありませんが、2年ごとに借主が入れ替わり、半月間収入が入ってこなくなることを想定して、0.5×1/24≒0.02となります。
この空室損失の率は、都内の築浅の物件だから小さな率ですが、これが地方などでは、この空室率は大きくなります。
つまり、次の借主を見つけるのに時間がかかるということです。
また、費用には借入金を計上していませんが、金融機関からの借入れる場合は、元本と利息の支払いが負担となりますので、利回りはこれよりも低くなります。
しかし、収益の安定性という観点から見れば、安定度は高く、実際に入ってくる収入と大きなブレは生じにくい物件であるということが言えると思います。
同じワンルームでも仙台の物件を見てみましょう。
この物件は、東北大学医学部のすぐ近くにあり、おそらく賃貸人はそこの学生ではないかと思われます。
B物件
所在地 仙台市青葉区柏木
売値 490万円
専有面積 20.02㎡
構造.・階層 RC4階建の3階部分
築築年数 17年経過
最寄駅 市営地下鉄南北線「北4番丁」駅 徒歩20分 (距離 約1,600m)
家賃 月額40,000円(賃貸中)
管理費 月額 2,800円
積立金 月額11,500円
表面利回り 9.8%(40,000円×12ヶ月÷490万円)
では、A物件と同様に年間の家賃収入から、諸経費を差し引いた実質利回りは何%になるのかを見てゆきましょう。
<収入>
40,000円 × 12ヶ月 = 48万円
<費用>
① 管理費 2,800円 × 12ヶ月 = 33,600円
② 修繕積立金11,500円 × 12ヶ月 = 138,000円
③ 室内修繕費(推定) 30,000円
④ 損害保険料(推定) 10,000円
⑤ 固定資産税等(推定) 9,800円
⑥ 空室損失(賃料の8%) 48万円×0.08)= 38,400円
合計 259,800円
<純収入>
480,000円 - 259,800 円 = 220,200円
実質利回り 4.49%(220,200円÷490万円)
となります。
以上を整理しますと、
表面利回り 実質利回り
A物件 6.19% 4.88%
B物件 9.8% 4.49%
表面利回りは、B物件のほうが9.8%とA物件よりもはるかに高いですが、実質利回りでみるとA物件のほうが高くなっています。
特にB物件は空室率を8%に設定したことも、B物件の実質利回りが低くなった原因の一つでもありますが、地方都市の場合、やはり、ある程度賃貸需要が強い地域でも、一定期間は空室になる可能性があります。
もちろん、想定も含まれていますので、現実の実質利回りとは違う場合もありますが、読者の皆さんは、表面利回りの低い目黒の物件と表面利回りの高い仙台の物件、 どちらの物件を選ぶでしょうか?
ワンルームでもファミリー型でもマンションの場合、管理組合などから徴収される管理費や修繕費がわかっているため、具体的な費用の計上がしやすい反面、一棟全体の収益物件と違い、空室が発生したら、即、その月は無収入となります。
特にワンルームマンションは、価格も手頃で、買いやすい物件ですが、いずれにしても投資にはリスクがあることを知っていただきたいと思います。
このようなリスクを避けるには、やはり、東京などの築浅の物件のほうが安定収入が得られるのではないかと思います。
また、サブリース物件で、家賃が保証されている物件もありますが、利回りは低くなり、契約が更新されない場合もあります。
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有限会社 岡不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 岡 秀次
℡045-780-2841
Email:info@kantei-oka.com
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